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‘マネジメント’ カテゴリーのアーカイブ

上司への不満の74%はやがて部下への不満となる

2009 年 12 月 28 日 コメントはありません

上司に対して感じている不満のうち74%は自分が上司の立場になった際、部下に対する悩みとなる。

「上司の頭が固い」と悩まされた人はやがて「部下の頭が固い」ことに不満を抱くようになる。

「上司がいいかげん」であることに不満を抱いた人物は、やがて「部下がいかげん」であることにストレスを感じるようになる。

結局はその人物の個性と周囲のギャップが不満として現れるということである。もちろんそのような状態が続かないように適切なチームマネジメントを実践することが重要である。

※文中のパーセンテージは感覚値です。

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「○○がないからできない」の87%は○○がなくてもできる

2009 年 12 月 23 日 コメントはありません

物事を提案したり依頼したりする場合、あるいは自ら何かに取り組む場合、「○○がないからできない」とされた事象のうち87%は実際には○○がなくても実行可能である。

実際はやる気がないかやりたくないためこういった表現が使われることが多い。

さらに64%は○○があってもやる気がないので実現されることはない。

公務員の仕事の43%は上司や他部署の言う○○を準備するために費やされている。

注)パーセンテージは感覚値です。

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誤探知による誤報はなぜ発生したのか

2009 年 4 月 4 日 コメント 1 件

本日の北朝鮮からの飛翔体発射に関する誤報について、午前10時48分の陸上幕僚監部の指揮所からの誤報の件については詳細な情報が公開されていないため今の段階では判断できないが、午後0時16分に防衛省からの発射情報とそれを受けた首相官邸から行われた自治体への誤った情報の伝達については「危機管理組織」と「それ以外の組織」における情報フローが一本化されてしまったところに構造的な問題があるように感じられた。

「危機管理組織」特に組織の指揮統制を担う部隊等においては一般に「第一報」の迅速性の重要性が徹底的にたたき込まれる。特にミサイルの発射等情報伝達の遅れが大きな被害につながる可能性があり誤報による被害がそれに対して軽微と考えられる場合においては、情報の正確性よりも迅速性が優先される。通常こういった情報を受けるのは同じ「危機管理組織」の上層部であり、誤報の可能性も考慮に入れつつ最善の処置をとるよう行動するため第一報での誤りが問題となることは少ない。むしろ誤りであったとしてもそのような重要な情報が迅速に上層部に伝達されないことの方が問題とされる。

今回のケースでは「危機管理組織」から発せられた情報を地方自治体等を通じて一般国民に広く知らしめるよう情報伝達の体制が構築されている。自衛隊内部の運用としては通常長年培った危機管理組織としての行動規範に則って行われ、部隊行動レベルでは一般市民への伝達・広報という観点からの判断・手続きは踏まれないだろう。そもそも組織内部での情報伝達を前提としていたものに、突然マイクを渡されて国民に呼びかけてくださいと言われたようなものである。本来であれば「正確性には劣るが迅速な情報」と「一定の確度を持つが伝達には時間を要する情報」の2通りの情報伝達レベルと範囲を設定しておきそれぞれの情報の前提と扱いについて事前に理解を得ておくことが必要だったのかもしれない。

自衛隊における探知と情報伝達の関係者としては「発射されてからの情報伝達の遅れを最小限にとどめなくてはならない」「(発射がないのに探知したという情報を出す誤りに比べれば)発射された場合に探知できないということがあってはならない」という意識が強くあったと予想される。こういった意識とともに情報の錯綜する指揮所の中で、「探知!」や「発射!」などという用語が耳に入ると、つい先入観から「ついに来たか!」というモードになり、多少の勘違いや聞き違えがあったとしても早く伝えなければという意識が前にでてしまい、十分な確認がなくとも第一報を早く伝えることに意識が働いてしまうと考える。また、一般にレーダーなどのセンサーの性質を考えれば、存在しない飛翔体を存在するように探知する誤り(フォールスポジティブエラー)を減らそうとすれば、存在する飛翔体を探知できない誤り(フォールスネガティブエラー)が多くなるものでありこのあたりは基本的にはトレードオフの関係となる。またどの程度のエラーを許容するかという設定は人為的に行われる。危機管理の観点からはある程度のフォールスポジティブエラーを許容してもフォールスネガティブエラーは絶対に避けたいところである。報道等の発言で今回の誤報の問題がいろいろと非難されているが、そういった論調によって、情報伝達の速度が低下したりフォールスネガティブのエラーが発生しやすいように探知のレベルが変更されるようなことがあってはならない。次は間違えてはならないという意識が強くなるあまりに情報がなかなか上層部にあがってこなくなる可能性がある。確度が足りなくとも危機管理上重要な情報の第一報は適切な部署に迅速に伝わるようにすべきであり、一般向けの広報・情報伝達とは切り離して考えるべきであろう。
 
P.S. 多くのTV報道等で飛翔体の飛来に備える自治体の危機管理部署の事務所内部や政府からの緊急情報を受け取るのに使用するEm−Netの画面等が完全に録画され報道されていたが、あまりのオープンさに今回の誤探知・誤情報などよりもずっと大きな不安を覚えた。

(4/6 補足)「そもそも組織内部での情報伝達を前提としていたものに、突然マイクを渡されて国民に呼びかけてくださいと言われたようなものである。」というのは実際に自衛隊が直接国民に呼びかける場面があるという意味ではなくて、探知情報を危機管理組織の長である内閣総理大臣にあげると同時にその内容が自動的に自治体等に配信されるという情報伝達の仕組みのことを意味している。

「誤探知を想定した訓練が行われていないのではないか」という指摘があるが、上にも書いているようにレーダーなどでは恒常的に誤探知が発生しているため組織は誤探知があるという前提で動いている。誤探知程度で大騒ぎすることがないというのが実際のところ。今回は通常の危機管理組織のそれとは情報伝達の範囲や取り扱いの範囲が広がったためその部分への配慮がされていなかったのではないかというのが本エントリーの趣旨。報道によれば第一報を発してから1分後に複数人のチェックが入り誤報が確認されている(その情報が伝達されたのは5分後と言われているが)。最初の時点で1分かけて確認をしてから発表するのか、とりあえず第一報をあげてから1分後に修正するのがよいのかについて合意がとられていなかったこと、情報伝達時にその確度に関する情報の付与がなされていなかったことが今回の混乱の原因ともいえるだろう。

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ファイアウオールを撤廃しよう!?

2007 年 4 月 24 日 コメント 3 件

全銀協会長も言うように、ファイアウオールの存在は世界標準との大きなギャップを生んでおり、ユーザの利便性を大きく阻害する要因となっている。

そろそろ我々もファイアウオールを撤廃する時期ではないだろうか・・・。

【関連情報】
◆全銀協会長、「ファイアウオール」撤廃求める(日経新聞, 4/24)
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20070424AT2C2402T24042007.html

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パーソナルBCMの勧め

2005 年 8 月 17 日 コメントはありません

HDDの障害でWindowsが立ち上がらなくなったラップトップが2台ほど眠っていたので、昔のデータを回収するため外付けのUSB-HDDインタフェースを購入した。固定的な用途に使うのであればHDD、電源、インタフェースが一体になったBOXタイプのものが良いだろうが、すでに所有している2.5, 3.5インチの複数のディスクをさくさく接続して使いまわしたかったのでインタフェースと電源が独立したNOVAC社の「IDE HDD つながーるKitUSB」「SATA HDD つながーるKitUSB」という商品を選択した。
usb-hd.JPG
接続はコネクタを繋ぐだけですぐに認識。とりあえず2台のラップトップからHDDを取り出し蓄積されていた様々なファイルを救出。デジカメの写真なども入っていたので助かった。次に250GB Serial ATAの3.5インチHDDの一部を使って現在使用中のラップトップのバックアップを作成。ユティリティを使えばディスククラッシュからのシステム・リカバリも可能なので心強い。取り出した昔のディスクはバックアップ用として使ったり、別途ケースを購入して持ち運びにも使えるので資源の有効活用にもつながる。また、生のディスクを接続できるので安価なバルク品を購入すれば安く済むし、取り扱いにさえ注意すれば場所をとらないので蓄積メディアとしても効率的だ。
ハードディスクの価格が安くなる一方、個人が管理するデータも重要かつ大容量化しているので、個人レベルでも、HDD障害などにおいて業務の中断を最小限に抑えるためのBCM(Business Continuity Management:事業継続管理)やDR(Diserster Recovery:災害復旧)を考える時代かもしれない。

ちなみに、HDDの物理コピーを行うセンチュリー社の「これdo台HEROプラス」と併用すれば、「なんちゃってフォレンジック」にも使えそうだ。

(参考情報)
■NV-UA2000 IDE HDD つながーるKit USB
ide.jpg

■NV-US2000 SATA HDD つながーるKit USB
sata.jpg

■KD25/35SP これdo台HEROプラス
kore-do.jpg

※各画像にはAmazonアソシエイトプログラムのリンクを設定しています。

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事故の第一報と情報伝達経路の確立

2005 年 5 月 6 日 コメント 2 件

組織の事故発生時の対応を考える上で最も重要な要素の一つが「情報」である。事故発生の際、権限を持つ上位管理者に「事故が発生した」という事実を素早く知らせ、その時点で分かっている状況を伝える。第一報から詳細な情報を伝える必要はない。まずは声をあげることが重要だ。状況が不明であればその旨(それ自体も重要な情報である)を伝え、以後の連絡手段と対応予定(何分後に連絡するなど)を付け加える。

状況不明の場合、組織がとるべき対応は、対策拠点を開設し、事故種別毎最悪ケースを想定した体制に移行することである。この際、事故に関する組織内の全ての情報が一点に集まるように情報伝達経路を確立しこれを徹底する。判断に必要な状況が集まるまでは、最悪の事態を想定した体制をとりつつ情報を収集し、状況が明らかになり次第、事故レベルに応じた体制に引き下げる。

ところが、実際にはこれと逆のプロセスとなる場合が多い。現場から、なかなか情報が上がらず、上層部も大したことはないだろうとタカをくくる。状況が明らかになるにつれ、事態の深刻さが認識され、外部からの指摘などもあってノロノロと対策本部が立ち上がる。

このような事態になってしまうのは普段からの組織の文化や制度にリスクに対する考え方が組み込まれていないためである。各中間管理者が小さな面子を気にする、事故の存在を隠そうとする、担当毎の縦割り意識が強い、管理者が事故の報告を受けたがらない。そんな傾向がある組織の場合、情報はまずしかるべき部署に伝わらない。管理者は日頃から重大な事故につながる事項に関してどんなに些細な情報でも報告をあげるよう部下を指導し、報告行為自体について当人を責めるようなことをしてはならない。とるに足らない事故の情報であったとしても報告をあげたことを評価すべきだ。

常日頃から非常時の情報伝達ラインを定義しておき、事故発生時に報告すべき項目をあらかじめ定めておくことによって、ミスコミュニケーションに伴う対応の不手際を防止することができる。現場の視点からは、第一報の報告は判断の責任を上位の管理者に委ねることになり、後で「現場が勝手に判断した」などと責任を押し付けられる事を回避できるメリットがある。

一方管理者の立場からは情報をタイムリーに受け取り適切な判断を下すことによって、管理者としての責任を全うすることができる。これを厭うような者はそもそも管理者としての素質に欠けると言えるだろう。「マスコミに聞かれるまで知らなかった」では許されないのである。

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危機管理のノウハウ

2005 年 5 月 4 日 コメント 6 件

【危機管理のノウハウ 佐々淳行著 書籍紹介】

私は危機管理におけるリーダー養成を目的とした全寮制大学で教育を受け、危機管理を生業とする組織において勤務した。その後コンサルタントとして民間企業や官庁等の様々な方と接する機会を持ったが、一般の組織で危機管理の考え方がほとんど理解されていないと感じることが少なくなかった。もちろん危機管理ばかりをやっているわけにはいかないのは理解できるが、トップマネジメントからして危機管理の基礎をも理解していないのは非常に危険な状況である。

大学の売店で年中平積みにされており、誰が推奨するわけでもなく多くの学生が購入し参考にしていたのが、初代内閣安全保障室長である佐々淳行氏の著書である「危機管理のノウハウ(全3部冊)」である。専門家に言わせれば基礎中の基礎ということになるが、私がこの本からヒントを得、その後実践してきたノウハウは今でも有効だ。

大学卒業後、現場に配置されればそこは戦場で、平時と言えども危機管理のオンパレードである。領空侵犯に対する措置などというのはある種「想定の範囲内」だが、勤務中には様々な突発事態が発生する。空中での航空機故障、燃料の不足、天候の急変、部下の交通事故、不祥事、火災、国際情勢の急変などなど・・・・。都度、経験もたいした権限も無い指揮官に様々な危機対応が迫られる。後になってその経験を振り返り、「ああ『危機管理のノウハウ』に書かれていたことはこの事だったのか」と改めて認識することも少なくない。

この本で取り上げられている有名なフレーズとして、

・最悪に備えよ。
・悲観的に準備し、楽観的に対処せよ。
・即決断し、直ちに行動せよ。

などがある。これらはあらゆる組織における危機管理で重要な事項だ。リーダーがこういった考え方を実体験を通じて理解していたり、組織の暗黙知となっている場合には話が早いが、実際にはそうではない場合が多い。また、この他にも「初動対処の重要性」や「第一報の重要性」などについても意外と理解されておらず、ぜひとも広く認識してもらいたい事項である。

危機管理の要求は突発的に発生するため、あらゆる立場の人が日頃から当事者としての心構えを用意し備えなければならない。危機管理に関する書籍を手にしたことが無く、危機に直面した時にどう振舞うべきか自信が無ければ、ご一読をお勧めする。


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危機管理のノウハウ PART1

佐々淳行(著)


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危機管理のノウハウ PART2

佐々淳行(著)


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危機管理のノウハウ PART3

佐々淳行(著)

(注)画像にはアマゾン・アソシエイト(アフィリエイト)・プログラムのリンクを設定しています。

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