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日本のアイデンティティ窃盗事件

 ここのところ日本でも気になる事件が続発したので、今回は日本におけるアイデンティティ窃盗をとりあげたい。

 19日にスキミングによるキャッシュカード偽造団9名が逮捕された。プレイ中にゴルフ場の貴重品ロッカーに預けられたキャッシュカードの番号を読み取り、カードを偽造していたらしい。ゴルフ場の支配人がグルだったため、合鍵でカードを取り出すことができ、貴重品ロッカーに設定された暗証番号を引き出しの際に使用している。風俗店などでのクレジットカードを狙ったスキミングはこれまでも多く報告されていたが、銀行のキャッシュカードを対象とし、ゴルフ場のような一般に信頼されそうな場所での犯罪なのでたちが悪い。

 キャッシュカードは引き出し限度額の設定が高く多くの現金が引き出せるので犯罪者には都合が良い。一方、被害者にとってはキャッシュカードは盗難保険が設定されていないケースが多いため被害金額は丸損ということになってしまう。ここのところキャッシュカードを対象とした、スキミングの逮捕者が続出しているので、日本でもこのような犯罪はかなり大規模に行われているのだろう。

 住民基本台帳カードが不正に取得され悪用される事件も発生している。住民基本台帳カードは現時点では、これといった使い道がないために、あまり重要性が認識されていないが、身分証明書として使えるため、他人名義で借金をしたり犯罪の身元隠しに使われるケースが多い。

 日本でも、なかなか他人や企業を信用することができなくなってきた。もはやクレジットカードやキャッシュカードの番号は知られて当然ぐらいに考えておいた方が良いかもしれない。

 今回の事件の教訓としては、普段持ちあるくキャッシュカードの口座には大金を入れておかない、キャッシュカードで使用する暗証番号は他の用途に用いない、などが考えられる。今後銀行がキャッシュカードの悪用を防止するための技術対策を適用するインセンティブとして、キャッシュカード被害に関する損害保険の適用や、被害発生時の損失の銀行負担なども検討してはどうかと思う。住民基本台帳カードについては、市役所や金融機関等に本人確認をしっかりと行ってもらうしかない。本来、住民基本台帳カードは本人認証を確実にするための手段として提供されているが、運用がしっかりしていなければ全く逆の効果しか持たないという良い例だろう。

【参考情報】
磁気データ盗みカード偽造の疑い ゴルフ場支配人ら逮捕
http://www.asahi.com/national/update/0119/033.html

銀行カード偽造、ゴルフ場支配人ら窃盗容疑などで逮捕
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20050119AT3K1900G19012005.html

地銀協会長、偽造カード被害「事態重く受け止める」
http://it.nikkei.co.jp/it/newssp/privacy.cfm?i=2005011910649vl

「スキミング」でカード偽造容疑、比で邦人ら3人拘束
http://www.asahi.com/national/update/0119/041.html

住基カード、不正取得広がる・借金などに悪用
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20050119AT1G1402Z18012005.html

カテゴリー: 情報セキュリティ タグ:
  1. 2005 年 7 月 12 日 21:17 | #1

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