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米国のRFID児童・生徒使用実験こちらは死体と同じ扱いに

カリフォルニア州のSutter郡で、十分な事前の説明なしに小中学生にRFIDの着用を義務付けようとしたことが問題となっている。

教員も開発に関わっていたり、納入企業が学校に多額の寄付をしていたりその進め方にも疑問も多い。首から下げる写真付IDカードにRFIDの機能を持たせ、暗号化された15桁の番号を通知する。すでに教室の入り口上部とトイレにリーダが設置されている。教員はPDAを使って出欠確認等をワイヤレスで行う。遠くからは読み取れないと書かれており、アクティブ型のRFIDではないように思われる。

アメリカではいくつかの私立学校がこの手の取り組みを始めている。主に児童・生徒のプライバシーが問題としてとらえられており、犯罪への悪用という議論はあまりない。今回は、親からの苦情を受け、とりあえずオプトアウトを設定しさらに協議を続ける模様。

ニューヨーク州バッファローのチャータースクールの時のような「プライバシー保護のための工夫」については言及されておらず、この手の反発を想定していなかったように思われる。

日本では「小学生を家畜と同様のタグで管理するのはけしからん。」という話が一部であがっていたが、奇しくも最近同じカリフォルニア州で実験解剖用の死体にRFIDをつけて管理するという話がでていたところ。

【参考情報】
■InClass(InCom Corporation)
http://www.incomcorporation.com/
当該システムの説明ページ

■School RFID Plan Gets an F(Wired News)
http://www.wired.com/news/privacy/0,1848,66554,00.html
Wiredの関連記事

■Students kept under surveillance at school Some parents angry over radio device(San Francisco Chronicle@SFGate.com)
http://sfgate.com/cgi-bin/article.cgi?f=/c/a/2005/02/10/BAGG0B8I4D1.DTL
San Francisco Chronicleの関連記事

■University mulls barcodes for donated bodies(CNN.com)
http://www.cnn.com/2005/EDUCATION/02/04/cadaver.barcodes.ap/index.html
最近同じカリフォルニア州で提案された実験解剖用の死体にバーコードかRFIDをつけて管理する話

■行政主導の児童使用実験にインフォームドコンセントの機会はあるか
http://d.hatena.ne.jp/HiromitsuTakagi/20040707#p1
アクティブRFIDを用いた日本の取り組みに対する高木さんの主張

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