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北朝鮮のサイバー戦能力について

朝鮮日報(英語版)が「北朝鮮のハッカーはCIA並」という記事を掲載している。

北朝鮮が韓国の通信を傍受しているなどというのは、とりたてて目新しい話ではないが、北朝鮮の情報戦に関する取組を警戒して、韓国がどんどん能力を強化していくということも周辺国に対しては脅威になり得る。(ネット上で周辺国というのはあまり意味はないが。)

「北朝鮮のInformation Warfare能力に関するシミュレーションの結果、北朝鮮は米国の太平洋軍の式中枢と米本土の発電施設に被害を与える能力を持っていることが明らかになった。」

「北朝鮮のInformation Warfare能力に関するシミュレーション」なんていうのは怪しさ満点な根拠なわけで、「能力」がどの程度かを示す表現も10年近く前から米国で使い古してきた内容で、今さら感が漂っている。まぁそういう時代になりつつあることは確かなのだけれども。

「北朝鮮は敵の指揮通信システムを無効化する能力を持つ500人から600人のハッカーを雇っている。北朝鮮はMirim Automation 大学でハッキングに関する研究を行っており、同大学は1981年より毎年100名のサイバー戦の専門家を輩出している。」

電波収集や出版物の解析等を中心とする旧来の諜報活動の専門家も含めるなら無理はないが、ハッキング云々という話を1981年から行っていたとはとても考えにくい。そもそも、サイバー戦の脅威なんてのを真剣に話ができるようになったのはここ5年程の話だ。こういう無理な話を持ち出してお互いに刺激しあうのはどうだろうか。

こういう分かりやすい話の方が、一般受けするのだろうけど・・・。

【参考情報】
■N. Korea’s Hackers Rival CIA, Expert Warns(Digital Chosun Ilbo, 6/2)
http://english.chosun.com/w21data/html/news/200506/200506020014.html

■N. Korean Military Hackers Conduct War in Cyberspace(Digital Chosun Ilbo, 5/24/04)
http://english.chosun.com/w21data/html/news/200405/200405270038.html

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