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漏洩情報の内容を詳細に解説する報道に何の意味があるのか?

asahi.comにWinnyを介して流出した海上自衛隊の秘文書の内容が詳細に紹介されている。これは2月に発覚し報じられた漏洩事故の -際漏洩した- 内容をダウンロードしたもの -もとに記事を作成したもの- と思われるが、漏洩の事実についてはすでに報じられているとおりだし、このタイミングでなぜこのような詳細な内容を誰でもが見れる形で、ネットに公開する必要があるのか疑問である。このような報道は必要以上に情報の拡散を広め、国民に対する有事のリスクを高めることにつながらないだろうか。より詳細な情報が一般にも報じられていることで何らかの対応施策が必要となった場合、そのための費用は結局国民が担うことになる。このような報道で流出当事者である政府官庁だけが困ると思われがちだが、実際にはそのしわ寄せは一般国民にも及ぶ。
情報は一旦流出しているのだから今さら隠しても同じというような考えを持つ人も少なくないが、情報にアクセスするコスト(負荷)というのも運用上大きな抑止力になる。セキュリティに関する情報に簡単にアクセスできるようになるということは、それだけリスクも大きくなるということだ。

(参考情報)
■ネット流出、海自文書計3千点 有事演習計画も(Asahi.com, 5/16)
http://www.asahi.com/national/update/0516/TKY200605160541.html

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  1. sashenka
    2006 年 5 月 17 日 10:42 | #1

    > 漏洩事故の内容をダウンロードしたものと思われる

    違いますね。記事を良く読んでください。「防衛庁は(中略)大量の文書が流出していたことを確認した」とあります。

    毎日とは異なり、朝日は流出ファイルをダウンロードする事はしていません。開発者が逮捕されるという事態を受け、Winny の使用自体にグレーな部分があるかもしれず、報道する側として漏洩問題に関与する立場に立つべきではないという判断でしょう。漏洩を起こした側の発表に基づいた記事になっていますよ。

  2. keiji
    2006 年 5 月 17 日 12:06 | #2

    sashenkaさん。コメントありがとうございます。

    私の読解力が足りず申し訳ありません。sashenkaさんは防衛庁が漏洩した情報の内容を公開し、これはその情報に基づいた記事だとお考えでしょうか?もしそうだとすると左図の注釈には「流出した資料から作成」ではなく「防衛庁の発表資料から作成」とすべきでしょうね。

    「漏洩問題に関与する立場に立つべきではないという判断」があるなら「流出した資料から作成」した情報を一般のWebサイトに掲載し誰でもリスクなしにダウンロードできる状態にしてしまうこと自体どうなのかという疑問も残ります。

    また、漏洩事故の報道後すでに何百、何千(?)という一般市民が「大量の文書が流出していたことを確認」しているにも関わらず現在になってようやく防衛庁が同じことを確認できたとはあまり考えたくありませんね。(過去に確認していたことだとは思いますが。)

    朝日新聞社が「ダウンロード」しかた否かについては特にこだわりはないので誤解を招かぬよう記述を訂正しておきます。ご指摘ありがとうございました。

  3. keiji
    2006 年 5 月 18 日 00:50 | #3

    セキュリティホールメモ
    http://www.st.ryukoku.ac.jp/~kjm/security/memo/
    に「こんなにひどいことになっています、ことを国民に広く知らしめる意味があるのでは。(中略)単に「出ました」だけでなく、その後の対応状況をきちんとフォローした記事になっていると思います。」

    とのコメントを小島さんからいただきましたので少しだけ補足を。

    「こんなひどいことになっています。」という情報については、2月の時点で散々報じられましたし、その後の対応についてもこれまでも十分報じられてきたように思います。今回の記事は流出情報の内容を再掲している以外に何も目新しいものは無く漏洩被害の拡大でしか無いように思います。

  4. 2006 年 5 月 18 日 03:17 | #4

    漏洩した国家の秘密と報道

    先月、
    ただ、私の意図は「個人情報を除く」ことにあるのではなく、「重要情報」というネーミングで別の要素が入ってくることについて、どうなんだろうか、ということで…

  5. 2006 年 5 月 18 日 03:27 | #5

    トラックバックがうまくいかないんでコメント欄で。
    これは、月刊現代6月号をみて論ずるべき話だと思いますよ。朝日新聞もそこの記事が暗黙の前提になっていると思いますし(自分のブログで書いたものはURL欄に入れました)。

  6. blacklight
    2006 年 5 月 18 日 08:06 | #6

    崎山さんの指摘の通りだとすれば、要は防衛庁・自衛隊に対するシビリアンコントロールが機能していない事実として必要になる報道ということになりますが、それを明らかにしない逃げ腰が朝日らしいというかなんというか。

    ただし報道内容については、一般的の手法をそのまま採って、何も考えず事実をそのまま伝えることが良いのかどうか一考の余地があると思います。
    例えばこのままだと米軍に暗号の変更などの損害を与えたことから賠償請求が来て、過失相殺としてグァム移転費用の割合をさらに増やされる根拠に使われてしまうかもしれません。

    武田さんがご指摘のように事実は既に明るみになっているものなのですから、殊更に詳細を明らかにする必要はなく、「防衛庁が事実関係を認めた」ことを主旨とした報道にすべきではなかったのではないでしょうか。

    #それをやって目をつけられるような事態を避けるという意図は十分に感じ取られますけど。

  7. keiji
    2006 年 5 月 18 日 12:12 | #7

    崎山さん、blacklightさんコメントありがとうございます。
    もしそういう背景があるとすると意味は変わってきますね。(ただasahi.comの記事だけを読んだ私のような人にはその趣旨はとても分かりませんでしたが。)
    「月刊現代6月号」のことは知らなかったのでまずは確認をしてみようと思います。
    情報ありがとうございました。

  8. とんとかいも
    2006 年 5 月 18 日 14:30 | #8

    少年犯罪における被害者の実名報道被害とおなじですね。

  9. 猫又にゃぉ助
    2006 年 5 月 18 日 15:58 | #9

    > もしそうだとすると右図の注釈には「流出した資料から作成」ではなく「防衛庁の発表資料から作成」とすべきでしょうね。

    今見たら

    > 演習の概要図

    に修正されてますね。うーむ。

  10. blacklight
    2006 年 5 月 19 日 08:22 | #10

    「海自の流出資料から作成」は図示された画像ファイル内で明記されていますよ。

    再度図を見直してみたのですが、朝日の意図は、北朝鮮だけでなく中国までをはっきりと仮想敵国とみなし、朝鮮半島全体を(海自の担当外とはいえ)作戦区域として明記した資料をわざわざ造って公開しているところにあるようにも思えます。
    またわざわざ攻撃される材料を提供しているだけのような気が…

    国内に対してはヘタレですが、国外に対しては小泉首相よりもはるかに過激ですね。
    主旨がどこにあったとしても、本来あるべき報道とはかけ離れた内容であるように思います。

  11. とんとかいも
    2006 年 5 月 19 日 21:31 | #11

    防衛庁は、こういう時こそ恥も外聞もなく、「知らぬ存ぜぬ」を貫き通すべきであり、
    それが真の政治的配慮というものです。

    Winnyに正規の情報が流れたことを認めてしまうのは、あまりにも愚かな行為です。

    そういう意味では、少しは北朝鮮の戦略を見習うべきでしょう。

  12. 2006 年 5 月 20 日 03:54 | #12

    > blacklight さん
    朝日新聞は新聞記事を単にネットにも載せただけではないでしょうか。そして、演習の想定は月刊現代にもより詳細に掲載されているので、そういう意味でも初出ではないですから、それで朝日新聞を非難するのはちょっとどうかな、という気がします。図は、朝日新聞のが「フェーズ2」に該当して、月刊現代には「フェーズ1」の図が出ています。月刊現代のほうは6月に次号が発売されたらネットにあがるかもしれません。

    暗号変更の損害云々は、今週発売の週刊文春で
    > 自衛隊「ウィニー」機密流出で「米軍引越代3兆円」丸呑みの危機
    と出てます。軍事レベルで3年前の暗号を使い続けるってあるの?という気もするので、それよりは周波数とか装備の性能がわかる内容とかのほうがつらいんでしょうかね。ちなみに、週刊文春もそういいながらいろいろ書いてますね。当時のコールサインとか。

  13. blacklight
    2006 年 5 月 25 日 09:03 | #13

    崎山さん
    >初出ではないですから、それで朝日新聞を非難するのはちょっとどうかな

    私の意見とはまったく逆ですね。
    「初出ではない」からこそ、記事の内容は報道すべきものとしてより精査されたものであるべきではないのでしょうか。

    月刊誌と新聞では社会に与える影響の度合いがまったく違います。
    それをきちんと自覚して、自社の新聞記事に載せる段階で、記事の内容が妥当かどうかはきちんと考えているはずなのですが、朝日の場合は安易な記事が多すぎると感じます。

    Webに新聞と同じ記事を載せることには問題ないでしょうが、新聞に載せてしまった段階でおかしかった結果、Webもおかしくなるべくしてなったということでしょう。

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