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【書籍】ハッカーズ その侵入の手口、ケビン・ミトニック、ウィリアム・サイモン


本書はネットワーク不正侵入やクラッキングの実際をリアルに描いており、単にハッキングものの読み物としてだけではなく、ネットワーク管理や不正アクセス対策に取り組む技術者、情報セキュリティに関する研究者が攻撃者の視点から不正アクセスの実状を理解する上でも参考とすることができる。

多くのハッカー本やメディア報道がハッカー(クラッカー)を神格化し、天才的な少年がいかに高度なテクニックを駆使して軍事ネットワークの奥深くから国家秘密をいかにして盗み出すかといったようなストーリーを描きたがる一方で、本書はハッキング/クラッキングの現実を極めてリアルに描き出すことに努めている。共著者の一人であり自ら情報犯罪で投獄されたことで知られるケビン・ミトミック氏が誇張や捏造を排除するため自ら信頼性に高いハードルを設けて実施した取材をベースとしており、現実感の高い内容になっている点は評価したい。

特に不正侵入を行う攻撃者が管理者に見つかることを恐れビクビクしながら攻撃を行っていたり、いかに攻撃のハードルの高いシステムを避け、管理の杜撰な箇所を狙って攻撃をしかけてくるかなど、攻撃者側の視点での戦略がうまく描かれている。過去の事件を取り扱っているため内容は少し古くはなっているが、実在するツールや脆弱性について技術的な視点から触れられており、実際の内容に即したものとなっていると思われる。技術的な背景を理解している人なら、この攻撃はあの手口だななどと自分の知識と照らし合わせながら読むことができるだろう。

ハードウェア・ハッキング、ソーシャルエンジニアリング、ペネトレーションテストなど様々なハッキングのシナリオが延々とオムニバス形式で綴られており純粋な読み物としては単調な感もあるが、ドキュメンタリーとして捉えれば、現実のハッキングの裏側や攻撃者がどのような思考に基づき行動しているかなど、防御側にとっても学ぶべきところも多い。

■書籍

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ハッカーズ その侵入の手口 奴らは常識の斜め上を行く、ケビン・ミトニック (著), ウィリアム・サイモン (著), 峯村 利哉 (翻訳) 、インプレスジャパン、¥1,995 (税込)

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※インプレスジャパン様より当該書籍を献本いただきました。ありがとうございました。

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