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開かれた警察

免許証の住所変更のため、警察署を訪れた時のこと。

「あ、そこの欄は免許証のこの長ったらしい数字を書いてね。」などと、驚くほど親切なお巡りさんに変更届の書き方を教えてもらっていたところ突如館内放送が流れた。

「緊急配備!△△○丁目☆☆ビル、セ○ム異常感知!」署内が騒然となり何人かの警官が急いで署外へ駆け出す。先ほどまでパソコンを操作していた警察官達も手錠のついたベルトを着用しながら次から次へと現場へ向かう。頭の中では「踊る大走査線」のBGMが・・・。

警察署内では私の記入に付き合ってくれている警察官と何人かが残っているだけになり、先ほどまでに比べかなりガランとした感じに・・・。

「皆出払っちゃって大丈夫なんですか?」
「いやいや他にもたくさんいるから大丈夫なんだよ。」とお巡りさん。

しかしセ○ムの通報でこれだけ多数の警察官が対応してくれるとは驚きだ。

そのことを話すと、「最近の泥棒は凶暴だし、警備員だけでは何もできないからね。」と親切なお巡りさん。

なるほど、警備員だけでは犯人が武器を持っている場合に危険だし、内部からロックされた場合に扉をこじあけたりすることもできないそうだ。

しかし、これを見て思ったのは、警察署内の動きがこんなにも一般人に筒抜けになって良いのか?ということだ。どこで何が起こって、誰がどう対応して何人が現場に駆けつけたか、残された警官がどの程度いるのか、署内を観察することで、その後の対応の様子もかなり詳細にわかる。

受付カウンターからはパソコンで作業中の画面や机の上の書類なども丸見えだ。窓口のある大部屋にいるのは、窓口業務担当だけかと思っていたがそうでもないらしい。

そういえばどこの官公庁でも警察署でも用があって訪問すると、担当者の机の脇まで簡単に入れてしまうことは珍しくない。開かれた官庁や警察のイメージを持ってもらうための作戦とも言えるが、この個人情報保護法の時代には少し無防備な気もする。官公庁における物理アクセスの制限は職員のこれまでの文化や業務の要領も関係するので急に変えるのも難しいのかもしれない。

開かれた警察署内で見るお巡りさん達の勇士は頼もしくて良いのだが、それが誰でも見える状態というのは別の意味で不安にも思える。

P.S. そういえば区役所では住基カードの発行端末に接続されたイーサーがむき出しで、無線LANのAPでもなんでも差し込めそうな状態だったなぁ。

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  1. 2005 年 7 月 4 日 21:50 | #1

    ソーシャル・セキュリティ

    CMU武田さんのところ、記事2連続参照です。

    http://motivate.jp/archives/2005/07/post_65.html

    警察署は自分…

  2. はたぼ。
    2005 年 7 月 5 日 09:53 | #2

    私も、経産省の友人から、事務所まで誰でも入ってこれることを聞いて驚きました。私の会社では、入門チェックや社員証チェックなどをして、入門規制などが当たり前となっているので、ますます驚きました。
    聞けば、その友人はかなり高度な仕事をしており、重要な企業や国家の情報を扱っています。そのような情報が盗める可能性のある状態になっているのはどうかと思います。言い過ぎかもしれませんが、そんな国家に自分の個人情報を預けているかと思うと、ちょっと不安です。
    場合にもよりますが、大事な情報を公開するなら、情報を公開してもらう側の人もそれなりに身分を公開するようにしないといけないのかとも思います。(不勉強なのでなんですが、住民票情報を一般公開している意味も、私には良くわかりませんが)
    余談ですが、その友人は、いろんな営業の人から勧誘を受けて仕事の効率が下がる、なんて事も言ってましたが、高い給料を税金から払っているのに、その人の就業時間のある程度の部分を、保険のおばさんの勧誘で取られてしまうのもなんだかなぁ、、、と思います。。。

  3. keiji
    2005 年 7 月 6 日 01:02 | #3

    はたぼ。さんいつもコメントありがとうございます。

    民間と較べると官庁はほんとにオープンですね。
    あと、出版社も同じような印象ですね。そういった職場で働いているとなれてしまって、あまり意識することもなくなるのでしょうね。

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